包茎は遺伝する?
部活をめずらしくサボった茎太郎。
今はただただ一人になりたかったのでした。
まっすぐ家に帰ると、ただいまも言わず真っ先にお風呂に入りました。
お風呂の中でぼんやりと今日1日の出来事を振り返っていました。
風呂から上がると、親父がテレビでプロ野球を見ていました。
夕飯食べながらの野球観戦は、いつもの光景です。
ちなみに親父は大のジャイアンツファンです。
親父は地元の市役所で土木関係の仕事をやっており、だいたい夜の7時頃には家でご飯を食べながらテレビで野球観戦しています。
こうして後ろからまじまじと父親の姿を見たことはなかったのですが、親子って不思議です。
手の指の形、髪の毛の縮れ具合、うなじの方向、うずの位置、どれも茎太郎そっくりです。
これが、遺伝の力か。。
この父親から僕は生まれたんだなと、改めて茎太郎は思い直しました。
うーん。遺伝の力は偉大なり。
そう考えながら、ぼんやりとテレビ画面を眺めながら一緒にご飯を食べることにしました。
ジャイアンツのピッチャーがマウンドに上がっているので、ジャイアンツが守りのようです。
すると、ピッチャーの投げたボールがキャッチャーの捕球前にワンバウンドし、キャッチャーミットではなく、キャッチャーの下腹部にめり込みました。巨人のキャッチャーが苦しそうに身体を丸めて動きません。
親父 「あー、今のはとらないと。」
巨人ファンの親父は小さく舌打ちし、だけど少し同情するように言いました。
親父 「でもアソコに当たるのは痛いよな、、男にしかわからない痛みだ。」
茎太郎も下腹部にサッカーボールが直撃したことが何度もあるので、この痛みはよくわかります。
というか、プロ野球で使用している硬式ボールが睾丸に直撃するとか、、その痛みたるや、サッカーボールの比ではないでしょう。丁重に遠慮しときたいものです。
茎太郎「・・・だね。男にとって急所直撃は地獄だよね。」
茎太郎は何気なく相槌をうったのですが、次の親父の一言に腰を抜かすほどビックリしてしました。
包茎は必ず遺伝するわけではなさそう、、
親父 「男って苦労が多いよな。」
親父 「父さんもちょうどお前位の頃、アソコの皮が剥け始めて痛かったのを覚えてるよ」
茎太郎「!!!!!」
・・・
・・
・
「皮が剥け始めた」って、今の話おちんちんの皮のことだよな・・・
ちょうどそのことで頭を悩ませていたのに、なんてタイムリーなんだ。
ん?まてよ。
親父は「アソコの皮が剥け始めた」って言ったよな。
ってことは、親父も既にオチンチンの皮は剥けてるってことか。
小さい頃親父と一緒にお風呂に入ったことはありましたが、皮が剥けてたかどうかなんて、茎太郎は覚えていません。
いくら親子だからと言ってじっくりと見つめたことなどなかったです。
そうか親父も剥けていたんだね、そこんとこ遺伝したかったな。。
性格や背格好などは、茎太郎は親父に似ていると自覚していましたが、オチンチンまでは残念ながら遺伝しなかったようです。
「包茎は遺伝しない」
このとき、茎太郎は「包茎」って言葉をまだ知りませんでしたが、一番の理解者である父親からも見捨てられた気がして、よりいっそうの孤独感を感じずにはいられませんでした。
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